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転倒事故は靴が原因

「滑り事故」は労働災害のワースト1

スリップなどの転倒事故が起きやすい業種は製造業で、なかでも食品製造業の転倒災害は圧倒的に多いことが、労災の統計資料でわかっています。

  • 通路や作業床の上で滑る
  • 段差・突起物・荷物・コードなどにつまずく、床上の配管に足を取られる
  • 階段を踏み外して倒れ込む

これらの事故を、労災では「転倒」と定義しています。

厨房の床が滑りやすいのは、水や油をよく使うという職場環境に起因しています。わたしたちが床を歩く時、床にかかる垂直な力と、水平にかかる力の両方が働くのですが、きちんと足を踏みしめられないと、水平にかかる力が垂直にかかる力より大きくなり、足を踏み出す方向に滑ってしまいます。これが「スリップの原理」です。

水や油が付着しています。床面に、足と床面の間に薄い膜ができて摩擦係数が小さくなるため、滑る危険は倍増。特に仕事にまだ不慣れな新人や、足の力や視力が弱まりつつあるベテランのスタッフは、十分に注意した方が良さそうです。

事故を防ぐために

自分でできる転倒対策として有効なのは、滑りにくい靴を履くことです。

ファストフード店などは職場で支給されることもありますが、多くの労働者は自分で用意することを求められます。しかし、たいていの場合、ふだん履くようなスニーカーで済ませてしまうようです。

スニーカーは、履きやすく動きやすいので厨房仕事に適しているように思えますが、実はちょっとした落とし穴があります。それは底に彫られた溝が浅いために、ハードな立ち仕事ではすぐに磨耗してしまい、滑りやすいこと、また、底が薄くて軽い運動靴は、床の衝撃を受け止めきれず膝や腰に負担がかかるのです。

安全のためには、摩擦係数の大きなゴム底を使った靴を履くのが一番です。カジュアルシューズの品揃えが豊富な一般の靴屋さんで見つけられない時には、ホームセンターや厨房専門店でたずねてみましょう。専門性の高い靴なので、実際にお店に行く前に、インターネットで情報を集めるのもよい方法です。長時間安全に作業するためには、必ず足の形やサイズに合うものを選びましょう。

滑り・つまずき防止の職場対策

職場での転倒を防ぐには、滑らない靴の導入だけでなく、「整理、整頓、清潔、清掃」の「4S」を徹底することも大切です。床のデコボコはできるだけなくし、床の傷みはすぐに手を入れましょう。通路に物を置かず、床面の掃除はこまめに行うことなど、できればチェックシートを設け、スタッフ全員で事故防止に取り組むことが、重要です。